法と税の小さな学習 その② 貸主はいつでも契約を解約できますか?

物件を賃貸にしたものの、

 

〇 自分がそこに引っ越したい。

 

〇 子供をそこに住まわせたい。

 

〇 更地にして売却したい。

 

というように、その後状況が変わり、物件を借主から返してもらいたい事情が生じることもありますよね。この場合、はたして貸主は賃貸借契約を途中で解約し、物件を借主から変換してもらえるのでしょうか。

 

今回はこのテーマについて考えてみたいと思います。

 

 

【1】 期間内解約の定め

この点、実は賃貸借契約においては、期間の定めというのは基本的に絶対です。なぜなら契約期間というのは、当事者双方によって重要なポイントだからです。

 

貸主にとってみれば、例えば2年間借りてくれると思っていたのに、途中で出て行かれてしまうと困りますよね。

 

借主にとってみても例えば2年間物件を借りれると思っていたのに、途中で貸主の都合で追い出されてしまうのでは困ります。

 

したがって、本来的には、契約期間の途中に貸主、または借主の一方的な意思で契約を終了させることはできません。どうしても契約期間の途中に契約を終了させたければ相手方の同意が必要である、というわけになるわけです。

 

とすると、確かに相手方が了承してくれさえすれば、借主も貸主も期間途中で、契約を解約させることは可能です。とはいえ、いつもいつも相手側の同意・了承が必要だとすると、相手側が同意してくれない場合に大変不都合ですよね。

 

例えば、急な引っ越しでどうしても引っ越ししなければならないにもかかわらず、空室を恐れる大家さんが契約終了に合意してくれない場合、借主は契約期間満了までずっと家賃を支払わなければならなくなります。

 

そこで通常、賃貸借契約においては【期間内解約の定め】というものが設けられています。

 

これは要するにどういう事かというと、「何ヶ月か前に告知すれば契約期間内であっても契約を終了させることができる」という内容の定めです。

 

この条件はほとんどの契約書に盛り込まれているので、皆さん常識のように思われていると思いますが、この期間内解約の定めがあるからこそ、一定期間の猶予(又は一定期間の賃料の支払い)を設けることで、ある程度自由に契約を終了させることができるようになっている、というわけなんですね。

【2】 貸主は「期間内解約にの定め」を活用できるか

そうすると少なくとも【借主】は、契約書に定められたルールさえ守れば、契約期間内であっても契約を一方的に終了させることができる、ということになります。

 

では、ここからが本題ですが、借主と同じように契約書に定められたルールさえ守れば【貸主】も賃貸借契約を一方的に終了させることができるのでしょうか。

 

結論から先に申し上げますと貸主の場合は必ずしも契約を終了させることは【できない】ということになります。

 

契約書にきちんとそう書いてあるにも関わらずどうしてこういう結論になるのでしょうか。

 

それは借地借家法の存在があるからです。

 

借地借家法は【期間の定めのある契約】について借主側から契約を終了させるためには

 

1 期間満了の1年前から6ヶ月前までに更新拒絶の通知を出すこと。

 

 

2 借地借家法の定める正当事由があること。

 

が必要だとしています。

 

そしてここが大事なポイントなのですが借地借家法はこれからの点に反する特約で借主に不利な特約は法律上無効だとしています。

 

とすると、今回のテーマである期間内解約の定めは借地借家法に反する特約として無効になる可能性があるという事なんです。

 

なお、仮にこの期間内解約の定めが無効にならないケースがあったとしても、借主が契約を解約する場合には【借地借家法の定める正当事由】が必要とされることは間違えないと言えます。

 

したがって、仮に期間内解約の定めが無効にならないケースであっても、例えば2ヶ月前とか3ヶ月前とかいうように契約書に定められた期間を守って解約を申し入れたというだけでは、必ずしも貸主からの解約が認められるわけではありません。

 

借主が快よく合意してくれれば別ですがそうでない限り自己使用の必要性であったり立ち退き料の提供であったり、といわゆる【政党事由】が必要になります。

 

「じゃあ、契約書ってなんなんだ。」「契約書にそう書いてあるのにどうしてダメなのか。」「借主も契約時に合意しているじゃないか。」とおっしゃる方もいらっしゃいます。

 

確かにそうおっしゃられるお気持ちはよくわかるのですが、借地借家法という法律がある以上仕方がない、という事になります。

 

 

【3】 ご回答・ご提案

したがって、仮に契約書に期間内解約の定めがあったとしても

 

● 家主からは必ずしも一方的に契約を終了させることはできない。そう覚えておいてください。

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